なぜ1日1食にハマったのか 時間とお金が増え健康的に

まずはじめに、1日1食にはデメリットがあります。しかし、同様にメリットも多くあります。ここでは、わたしが1日1食生活を続けるなかで気づいたことを綴っていきます。

そもそも1日3食も必要?

子どもの頃は母親に「ちゃんとごはん食べなさい」と言われたものです。朝ごはんはもちろん、お昼は12時から13時のあいだに必ず給食があるし、夜も家族揃って夕食を食べるのが当たりまえでした。

おかげで、1日3回の食事をする楽しみがありましたし、普通に成長できました。もちろん、空腹に苦しむことなどありませんでした。しかし、大人になってライフスタイルが変化し知恵もついてくると、そもそも1日3食の必要性は?と考えるようになりました。

1日1食をはじめたきっかけ

よく『1日1食健康法』という言葉を聞きますし、食事は『量』よりも『質』といいます。そもそもわたしは昔からの習慣や固定観念を疑うことで、より合理的な生活を送ろうとしています。「もう12時だからそろそろお昼食べなくちゃ」と思うのは、はたして意味があるのかと。

べつにわざわざ朝昼晩と3食とらなくても、食べたいときに食べればいい。1日1食でもちゃんと栄養を摂取できていれば問題ない。ダイエットや糖尿病といったことが理由ではなく、ただ単に食事から解放され、食事はもっと自由でいいと思うようになったのが1日1食をはじめたきっかけです。

絶対にムリはしない

べつに1日1食を推奨しているわけではありません。実際に厚生労働省では1日3食を適度なバランスを考えてとりましょう、とアナウンスしています。

肉体労働、体質的な問題、医師による指導など1日3食必要な人はいますし、そのような人が無理して1日1食にする必要はありません。もちろん、はじめてみて自分には合わないなーと思ったらすぐにやめることも大切です。

適切な量をゆっくり食べる

せっかく1日1食にしても、その1食を大量に食べてしまうのはNG。また、空腹の状態で急に多くの食べものを流しこむことも血糖値を急激に上昇させる原因となるので好ましくありません。

1日1食だからこそ、ゆっくりとよく噛んで食べる。そして腹八分目でとどめておく、この基本姿勢が守れないようであれば1日3食とったほうがいいでしょう。無理して健康にはなれませんから。

低栄養に気をつける

1日の栄養をその1食分で摂らなければなりませんから、あまり栄養のことを考えないと必要なエネルギーが不足してしまいます。しかし、逆に考えれば、栄養バランスを考えた1食を考案できるので、何も考えずに3食とるよりも健康的です。

今日はハンバーガーとポテトのセット、昨日は特製オムライス、一昨日はラーメン、といった1日1食のスタイルは絶対にNG。1日1食だからこそ外食には気をつかいますし、自炊のメニューもひと工夫しなければなりません。

なので、ビタミンC、タンパク質、炭水化物、ミネラルといった1日に必要な栄養バランスを年齢や性別から計算したうえで、それぞれの栄養素がどのような食材に含まれているかを把握することが大切です。

バランスのいいメニューや組み合わせをあらかじめ数パターンつくっておくと、献立に悩まずにすみます。

食べたいときに食べる

1日1食といえど「いつ食べる?」と悩む必要はありません。もちろん、朝だけ、お昼だけ、夜だけといったように、自分にとってベストなタイミングを習慣化するのもいいでしょう。

しかし、つまみ食いが一番おいしいように、食事も食べたくなったら食べればいいんです。べつにお腹が空いていなければ無理して朝ごはんを食べる必要はありませんし、逆にお腹が空けば時間が早くても夕食を食べればいいんです。

1日1食のメリットは、1日3食を朝昼晩にとらなければいけないという固定観念から解放され、食に関して自由になれること。お腹が空いたときにおいしいご飯を食べれば、たちまち幸福度が高まります。

1日1食を続けていくと知らぬ間に食の大切さを実感し、食に対して考えるようになります。そして、食と向き合うことで身体の健康も意識するようになります。また、それと同時にこれまでなんとなく縛られていたルールから解放され、もっと自由に食事を楽しめるようになります。

ちなみにわたしは夜だけ食べます。間食は一切しません。1日1食に慣れるまでは職場のランチタイムの誘惑に負けそうになったり、15時を過ぎるとお腹がゴロゴロ鳴ったりしていました。休日はこのタイミングで食事をするのですが、平日はそういうわけにはいきませんので、夜までガマンしているわけです。

とにかく食費が浮く

朝昼晩と食事をすると、当たりまえですがそのぶんの食費がかかります。しかし、1日1食であれば出費が1食分だけになるので、月々の食費がおのずと少なくなります。

たとえば、毎日のランチ代が600円とすると、1ヶ月で14,000円ほど節約できます。

なかなか貯金ができない、節約が続かないといった人にも1日1食にはメリットがあるわけです。その浮いた食費で旅行に行ったり、特別な日に贅沢なディナーを楽しむことができます。

手間が減り、時間が増える

1日1食のライフスタイルは、忙しい人生のわずらわしさを少しだけ解放してくれます。たとえば、明日のお弁当を夜な夜なつくること、ランチに何を食べようか迷うこと、時間に追われながらの朝ごはん、食後の歯磨き、食器洗いや料理の時間など、わたしたちが必要に迫られながらおこなっていることが不要になります。

こうみると、1回の食事で結構な労力を使っていることに気づきますね。

1日1食は自由の時間を増やすこともできるわけです。朝はギリギリまで寝たい人の欲望もかなえますし、昼休みの時間いっぱいゲームをすることもできます。

より味を楽しめ、薄味を好むようになる

仕事で疲れた夜の最初の一杯がうまいように、空腹が満たされる瞬間は至福のときです。

1日1食にすると、不思議と一口一口をよく味わって食べるようになります。サラダにドレッシングをかけなくても野菜そのものの味を噛み締めたり、スープのスパイスを味わったり、べつにプロが作ったわけでもないのに口に入れた瞬間においしさが広がります。

これまで濃い味付けが好みだったわたしも、気づけばヘルシーかつ塩分控えめの食事をとるようになりました。

虫歯リスクが減る

虫歯を予防する正しい歯磨きは食後まもなく30分以上かけて丁寧におこなう必要があります。そしてデンタルフロスで歯間もきれいにしなければなりません。

砂糖や食べかすをエサとする虫歯を防ぐには、必ず毎食後に時間をかけて歯磨きしなければならないわけです。しかし、実際には朝30分もかけて歯磨きできませんし、ランチのあとに歯磨きすらしない人だっていると思います。

1日1食であれば寝起きは軽く磨くだけでOK、あとは食後に1回ちゃんと歯磨きをすればいいわけです。

それぞれ朝昼晩と食事をとってそれぞれテキトーに歯磨きをすることは、ちゃんとケアをしているつもりでも実際には虫歯や歯周病のリスクを高めています。それとは逆に、たとえ1日1回でも寝る前に時間をかけてしっかり歯磨きをすることで、歯と口腔内は健康にたもてます。

食後は口内が酸性にかたむくので虫歯のリスクが高まる、だからこそ食後はしっかりと歯磨きをすべき。また、夜は寝ているうちに口腔内の細菌が増殖するので、夕食後や寝る前にはたっぷり時間をかけて歯磨きをしないといけません。

こう考えると実際のところ適切な歯磨きってむずかしく、ゆえに日本人は虫歯だらけということもあるのでしょう。しかし、1日1食であれば1日1回しっかりと歯磨きをすればいいだけなので、負担も少なく歯と口腔内を健康にたもてるわけです。

BMIの適正指数を維持できる

太る原因はカロリーのとりすぎだから。1日3食しっかり食べてそれに間食を加えると、栄養士でない限りたいていは推奨カロリーを超えてしまいます。

ダイエットで失敗するのは、この1食のなかで無理に食事を制限するからです。いちど料理を目の前にすると食べるモードがオンになり、胃袋が満たされないと「もっと食べたい」と思うようになります。ダイエットが長続きしない人は、ここで無理にガマンするからです。

ぽっこりお腹が治らない、運動不足でどんどん太っていく、こういった人はカロリー摂取と消費のバランスがとれていません。1日1食のライフスタイルが定着すれば、おのずと摂取カロリーが抑えられます。これまで本当にムダなものばかりを食べていたんだと痛感させられるほどです。

実際にわたしは1日1食を3ヶ月続けたころから体重が合計で5キロほど減り、少し肥満気味だったおなかも普通サイズに落ち着いています。そして、1日1食ダイエットのいいところは、もう習慣として馴染んでいるのでリバウンドしにくく安定しやすいところです。

血糖値の上昇に注意する

血糖値は食事をすると上がり、時間が経つと下がります。1日1食にすると空腹の時間が長く続きますから、食事前の血糖値は下がった状態です。

血糖値を急激に上下させると糖尿病のリスクが高まります。そのため、1日1食の場合は、より血糖値の上昇をゆるやかにする必要があります。

わたしは、必ずはじめに野菜を食べます。そして電子レンジで温めたトマトジュースを飲みながら、ゆっくり食事をしていきます。糖質は血糖値を上昇させてしまうので、ご飯や甘いものは先に食べません。

ただでさえ食後は血糖値が上昇するので、1日1食を健康法と呼ぶのなら血糖値には人一倍気をつかわないといけません。フルコースのように、副野菜 → スープ → メインの順番を心がけましょう。また、朝に牛乳を飲むと1日の血糖値が下がるのでおすすめです。