クレジットカードが作れない彼氏 見落としがちな原因

これまでに一度もローンやカードの契約がない

クレジットカードを持ったことがない、ローンを組んだことがない、借金をしたことがない。これって一見クリーンな状態に思えますが、じつはあまりよくありません。クレジット契約による支払い履歴はその人の信用度をあらわすものです。それをクレジットヒストリーといいカード会社はおもにCIC(個人信用情報機関)のクレヒスを参考にし、その人の支払い能力を判断します。

20代ならまだしも、30代や40代にもなってこのクレジットヒストリーが白紙ということは返済能力の判断がむずかしいうえに、よほどの訳ありと思われてしまいます。これを俗にスーパーホワイトといいます。

「これまでクレジットカードを作ったことがないのに、なぜこのタイミングで申し込んだのか」「もしかすると急にお金が必要になったのではないか」「だとすると返済が滞るかもしれない」といった憶測をされやすく、クレジットカードの発行が難しくなってしまいます。

しかし、CICのクレジットヒストリーが全くないというのは、携帯電話の支払い履歴もないということになります。というのも、携帯電話やスマートフォンは機種本体の代金を分割で支払う割賦契約が多く、その残債を毎月の利用料と一緒に支払っているからです。

もし、あなたの彼氏がスマホの端末を一括で購入しているようであれば、スマホの支払い履歴は個人信用情報に登録されていないことになります。その見分けかたは、ドコモやソフトバンクの販売店でスマホ本体と一緒にプランを契約しているか、自分でSIMフリーや中古の端末を用意して格安スマホを利用しているかです。

前者はスマホの端末代金が割賦契約になっていることがほとんどなので、スマホを持っていればクレジットヒストリーが空白ということはありません。しかし後者はスマホの端末を一括で購入できるので、スマホを持っているからといってクレジットヒストリーがあるとは限りません。

じつは携帯電話はローン契約だった

携帯電話を一括で購入していないのであれば必ずCICに支払い履歴が残っています。たいていの人はスマホの端末代金が月々の利用料から割引されるキャンペーンを利用しており、知らないうちに24回の分割払いを契約しています。

この知らないうちに組んだ端末代金のローンは、毎月の通話料やパケット通信料と合算されて請求されます。

すると、ローンを組んだ認識のないまま支払い履歴がCICに記録されることになります。「あ、この前のケータイ代、口座にお金入れておくの忘れた」と軽い気持ちでうっかり口座残高が足りなかったとしても、その遅延の事実はクレジットヒストリーに5年間も残り続けます。

若い夫婦が家を建てようと住宅ローンを申し込んだら、どこの銀行も審査が通りませんでした。「年収も問題なく借り入れもないのになぜ?」と疑問に思っているさなか過去に銀行口座の変更をし忘れ、一度だけスマホの利用料が引き落とされなかったことを思い出します。

もちろんすぐに支払いましたが、通常の支払日に引き落としができなかったため、個人信用情報に遅延として登録されてしまいました。

クレジットカードが作れない彼氏も、もしかすると過去にスマホの支払いが滞った経験があるのかもしれません。ちょっとうっかりした程度で全く記憶にないかもしれません。しかし、CICに登録されたクレジットヒストリーはどんな状況でも審査に影響します。

見落としがちなスポーツジムの会費


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スポーツジムの年会費も個人信用情報を照会することがあります。スマホの支払いに次ぐ、クレジットヒストリーの盲点です。

エステ、料理教室、ヨガ、ダンス、スポーツジムなどの月謝は、事務手続きの負担を軽減するため多くの場面でアプラスやクレディセゾンといった信販会社の集金代行が利用されています。

その場合は、入会時に月謝の引き落とし口座と銀行印が必要な書類と、個人信用情報機関へ照会および情報登録を行うと記載されている旨の書類を目にしているはずです。

信販会社の集金代行によって引き落とされる会費は、支払日までにちゃんと振替できたかなどの情報が個人信用情報に登録されています。

このように個人信用情報に詳しくないと無意識のうちに支払い情報がCICに登録されていて、そのうちのネガティブな情報がクレジットカードの審査に影響を及ぼしているという可能性もあります。

収入だけでなく生活環境も大切


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M-1グランプリで優勝したお金持ちの芸人よりも、たいしていいことはないが毎月の給料がもらえるサラリーマンのほうが職業が安定しています。

自営業で月に100万円売り上げる営業マンよりも、正社員で月に30万円もらう販売員のほうが収入が安定しています。

友達の家でルームシェアする人よりも、マンションや持ち家に定住している人のほうが住居が安定しています。

このように、クレジットカードの審査基準はどれだけ今の生活環境が安定しているかどうかです。現金一括で300万円の車を買った過去など、残念ながらなんのメリットにもなりません。

勤続年数が1年未満、固定電話のない賃貸アパート、アルバイトの非正規雇用、いま流行りのフリーランス、このようなカード会社が不安定とみなす条件が多くなるほど、クレジットカードの審査が通りにくくなります。

両親の借金は関係ない

自己破産をしたわけでなければ5年以上前の異動情報は記録から消えます。なので、クレジットカードの審査に落ちた日から過去5年以内になんらかの支払いが遅れた可能性があります。

また、個人信用情報は家族や世帯ではなく、その人に対して記されます。両親が自己破産や債務整理をしたことが原因で、その子どもがクレジットカードの審査に落ちるといったことはありません。

クレジットカードは社会人の信用をあらわします。だからこそ、たった一度の過ちでも5年間は残ってしまうという厳しいものです。

いまの彼氏はクレジットカードが作れなくても、もう少し年月が経てばきっとカードを持つことができます。

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