なぜ全身ハイブランドで固める男はダサいのか

そもそもなぜ全身ブランドなのか

グッチ、ヴィトン、ドルガバ、シャネル。全身ハイブランドの男って、べつにそのブランドに愛着があるわけではありません。

普通では買えないような高額なものを身につけることによって、周りから「すごい!」と思われたい、ようするに見栄を張りたいだけです。

じゃあ、そんな見栄張りの男性と付き合うことで幸せな恋愛は手に入るのでしょうか。

また、なぜこんなにもハイブランドで固める男ってダサいのでしょうか。

グッチはなぜ人気なのか


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有名人がこぞって好むgucciの全身コーデ。『GUCCI』と強く主張するTシャツ、『G』ロゴで埋め尽くされたキャップ。どれも芸能人が着用すると「まあこんなもんなら」と少し納得できるところがあるのではと思います。

しかし、いざ一般人がグッチのTシャツやキャップをかぶると、やっぱりださい。

この差はなんでしょうか。

それは、ハイブランドに人間が釣り合っていないから。それともう一つ、芸能人のマネをして自分も同じ土俵に立っていると勘違いしている姿が痛いからです。

ではなぜ最近はこんなにも全身グッチの男が増えているのでしょうか。

そもそも彼らはグッチというブランド自体が好きというわけではなく、グッチを愛用している芸能人やアーティストが好きなんです。

だって、グッチって昔からありましたからね。

それは、グッチを愛用する芸能人やアーティストのように自分もなりたいけど、自分の実力では到底とどかないから、ブランドの力を借りて自我を満たしているということ。

皮肉にもグッチが人気なのはグッチユーザーの著名人が人気だからというわけです。

9割の人はダサいと思う


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全身グッチで固めたコーデの男性、全身バラバラのハイブランドで固めた男性、どちらがかっこいいですか?きっとどちらもダサいと思うでしょう。

では、全身センスよくまとめられていて腕時計だけハイブランドの男性、これってどうですか?きっとこっちのほうが好感度が高いでしょう。

もしこの価値観に共感したのなら、それはごく一般的にものです。

どうせブランドを身につけるのなら、やたらめったらハイブランドで固めるよりも、豪華一点主義のセンスを重視するスタイルのほうが印象がいいということ。

なんで多くの人がこのような目で見ているのに、いまだ全身ブランドばかりを着るのでしょうか。それは自分のことばかりで周りが見えなくなっているから。そして、大好きな自分を守るための強い固定観念が出来あがっているからです。

では、そんな周りが見えない男性を仮に好きになったとして、付き合っても大丈夫なのでしょうか。

まずその男性は、他人の意見をあまり聞かない、新しい価値観を受け入れられないといった少し頑固でめんどくさい性格かもしれません。この性格がいつか苦痛になってしまうこともあると、あらかじめ覚悟が必要です。

つぎにその男性と一緒に歩いていて「お金持ちの男と付き合えて幸せな彼女だな」と他人から見られることなどないということです。

むしろ、あなたがその男性に抱く印象のように「ださい男の彼女」という見られかたのほうが一般的でしょう。

しかし、こういった価値観は年齢を重ねたり生活環境の変化によって変わっていくことがあります。昔はイケイケのスポーツカーに乗っていた人も、結婚して家庭を持ったらカローラに乗り換えたりするように。

「オレは普通の人とは違うんだ」

同じ体操服を着て右ならえをする小学生とは違い、好みの服装や髪型で個性を主張できる大学生。

そのなかでもあえて全身ハイブランドを着る大学生。この心理は「自分は周りの人とは違う人間なんだ」と心の底で強く思っているからに違いありません。

「もっと上を目指す、いやもうすでに上にいる」といった意識過剰な性格が、大きなロゴをドーンんとつけた自己主張の強いファッションを好むわけです。

安定はしていませんよね、精神的に。

本当に好きなブランドがあっておしゃれも好きなのであれば、ブランド名がパッと見てわかるところに描かれた服など着ません。裏面のタグを見て初めてなんのブランドかわかる服を着ている人ほど、本当のセンスを持ちおしゃれ好きです。

グッチ、ヴィトン、シュプリーム。ハイブランドって麻薬のようなものかもしれません。

それは、そのブランドを着ていることで気持ちが落ち着くというか、自分が大それた人間になったような感覚を味わえるからです。

水戸黄門の印籠のように、ハイブランドのロゴが見えると庶民がへり下るような感覚を味わうこともできますからね。

ハイブランドが必ずダサいとは限らない

きっと誰が見ても「〇〇のブランド」とわかる視認性の高いロゴをあしらったデザインこそ、下品でダサいと思われがちなのでしょう。グッチ、ヴィトン、シャネル、シュプリーム、ドルガバのように。

逆によーく見てもロゴすら見えないようなデザインにこだわったブランドこそ、上品でおしゃれと思われるのではないでしょうか。ブルガリ、プラダ、バーバリー、アルマーニのように。

そして、こういったハイブランドをセンスよく着こなしている男性は後者の印象が強く、あまりダサいと思わないものです。

グッチのTシャツを着てドルガバのデニムを履いた成金のようなコーデではなく、仕立てのいいアルマーニのシャツやバーバリーのジャケットをうまく着こなした男性のほうが。

年相応のブランドやデザインを選ぶこと、たとえおしゃれに着こなしていてもお腹がメタボであれば台無しであるということ。

その人の年齢や体型もダサいか否かの大きなポイントです。

そもそもどんなブランドも高価なわけで、質感はもちろん仕立てやデザインも一流です。そして、こういったハイブランドは着こなす人のセンスによってどうにでも変貌します。

そのセンスと人間性がなければ、きっと全身をブランドで固め、なおかつまとまりのないバラバラのコーデをしてしまうのでしょう。

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