歯の価値を知らない日本人
歯って、とても大切なもの。一生のうちに1度しか生え変わることがない永久歯は1本100万円の価値があるといわれています。
なのに、日本人は歯に対して無頓着な人が多すぎます。歯を大切にする意識はおろか、歯の価値すら知らずにどんどん削っていき、歯を失うことへの抵抗がほとんど感じられません。
「歯医者はこわい、痛いから行きたくない」と、大人ですら子どものように歯医者を嫌い、けっきょく痛くなって初めて歯医者へ行く人ばかり。もちろん、痛みを感じるということは神経まで虫歯が進行しているわけですから、たっぷりと歯を削ったのち銀歯を入れることになります。
こうして、自らして価値のある歯を失っているわけです。
アメリカの常識は日本の非常識
みんな日本人は笑うと銀歯が見える、なのにわたしはアメリカ人の銀歯を一度も見たことがありません。
そして、歯列矯正、予防歯科、セラミック治療、ホワイトニング、デンタルフロス、アメリカでは当たり前のことが日本では非常識という現状におどろきます。
たとえば、テレビの街頭インタビュー、たいていの人は歯並びが悪くて黄色い。よーく見なくてもわかるほどです。たまに見るに耐えないほどの虫歯や歯並びの人もいます。
しかし不思議なのは、そんな状態なのに平気で笑って歯を見せていること。無意識に手で隠す人もいますが、多くの人はどこかでコンプレックスを抱きながらも汚いという認識がないのでしょう。もしかしたらコンプレックスすら抱いていないのかもしれません。だって改善する気がないのですから。
このような現状を日本の社会問題として取り上げるべきです。口腔ケアの意識が低すぎること、幼少期の歯列矯正が一般的でないこと、歯の定期検診率がアメリカやスウェーデンは80%なのに日本は6%であることを。
歯はその人をあらわす鏡
最近ではやっと日本も歯を矯正する文化が根付いてきましたが、まだそれは一部の人のはなしです。ただ、歯並びが悪いと見た目や健康面の問題だけでなく、その人の家庭環境や育った環境、親の常識や価値観、経済力まで問われます。
そういったことから、アメリカでは歯がきれいでないと自己管理ができない人とみなされ一般企業への就職が見送られるほか、出世だってできません。
思い返してみればアップルのティムクックもオバマも、みんな自然な白い歯をしています。
わたしはこの意見に大賛成なのですが、なぜか日本人にはこういった考えがほとんどありません。
日本人の間違った習慣
また、アメリカと日本の違いといえば、アメリカのコンビニやドラッグストアではデンタルフロスが必ず売られています。なのに、日本はコンビニはおろかドラッグストアでもデンタルフロスは歯ブラシに比べほんの少し、しかも定価のようなの値段です。
歯磨きで取れる汚れなんてほんの一部で、デンタルフロスを指に絡めて歯間と歯周ポケットを掃除しない限りは歯の健康なんて手に入りません。
歯磨きの意味を考えずただ習慣として磨いている人ほど、自分では気づかない口臭を放ち、奥歯の虫歯は進行し、歯周ポケットは深まり、歯周病の疑いがあるでしょう。
ましてや、数ヶ月に1回の定期検診を受けないようであればなおのこと。なのに、多くの人は歯の定期検診なんて受けていないでしょう。歯医者を予約するときは歯に痛みを感じたとき、これこそが日本人の歯に対する最大の間違いです。これは、日本の手厚い医療保険が影響しているのでしょうか。
銀歯に抵抗がない日本人
銀歯にしたって保険適応だから数千円。逆にいえば、虫歯になって歯を削っても数千円で治療できるからたいしたことない、そんな意識を持ってしまいます。
アメリカ人にしてみれば、銀歯なんてもってのほか。わたしも相手が笑ったときやあくびをしたときに銀歯が見えると、正直うわっ…と思います。
しかも、銀歯は金属を体に入れるわけですから、健康にいいわけがありません。また、あらいつなぎ目から汚れが侵入し、銀歯の下で虫歯が進行していくことだってあります。痛みが出て気づくころにはかなり虫歯が進行していることが多いですから、高い確率で自分の歯を失うことになるでしょう。
こんなにも怖いのに、平気で銀歯を入れる人、虫歯になってから歯医者に行く人、そもそも歯を失っても治療法があるのだからと軽視している人。きっと結構多いのではないでしょうか。
歯を治療するかどうかは自分の判断かもしれませんが、口内環境が不健康で他人に迷惑をかけているということを忘れてはなりません。たとえ相手の口臭がキツくても心の中でこらえるでしょうし、歯並びが汚くても見て見ないふりをします。そしてそれは、歯の健康に気をつかっている日本人、そしてアメリカ人にしてみれば不快そのものです。
お金があっても歯を治さないナゾ
最近は一般人も歯が命といいますが、芸能人は昔から歯が命といわれています。その影響か、若いアイドルもある程度売れてくると歯にお金をかけるようになりました。バラエティで活躍するお笑い芸人も、長く生き残っている人はみんな歯をきれいにしています。
しかしどうでしょう、政治家や文化人は。お世辞にもきれいとはいえません。なぜアメリカのトランプ大統領はセラミックできれいに整えているのに、安倍首相は汚い歯並びと歯の着色、メタルの治療をそのままにしているのでしょうか。不思議でなりません。
サラリーマンの数倍を稼ぐ人気ユーチューバーも、クルマに1000万円支払うのではなく歯医者に100万円支払ったほうがいいのではと思います。
なぜ髪は染めるのに歯は白くしない?
親が子どもの歯並びをきれいにしてあげても、その子どもが大人になったときに歯に対するリテラシーが低ければ宝の持ち腐れです。というのも、アメリカでは当たり前のホワイトニング、日本人の意識と利用率が低すぎます。
せっかくきれいな歯並びをしているのに笑ったときの歯が黄色いと、わたしは正直いって無理。さまざまな価値観を尊重しなければなりませんが、わたしには理解できません。なぜ、美容室でお金をかけてカラーやトリートメントをしたりシャドウやファンデを厚く塗るのに、歯の美容には気をつかわないのかがわからないんです。
また、有名なコーヒーチェーンの店員は高い確率でステインやヤニが着色しています。それにかぎらずコーヒーを好むのであれば、歯の着色に気をつかうべきです。ただ、普通にブラッシングしていればある程度の着色は落とせます。なので、わたしはあまりにも歯の色が汚い人は、普段からめんどくさがり屋で自己管理ができない人だと思っています。
歯がきれいな人は相手の歯も気にする、歯が汚い人は相手の歯も気にならない。だからこそ、類は友を呼ぶように、歯が汚い上司のいる会社は社員も汚い、歯が汚い奥さんは旦那さんも汚い、歯が汚い友達はその友達も汚い。もちろんこの逆もありますが、多くはこういった状況に遭遇してしまうのも日本人の歯に対する意識が間違っているからではないでしょうか。
見た目だけきれいにする若者
最近の10代〜20代はネットで安価なホワイトニングツールを購入して手軽に白くしているそうです。これはとてもいい習慣といえますが、このケースの多くは歯の見た目だけにとらわれていて、歯の健康には無関心です。
たとえば海外で買った強力なホワイトニングキットを使えば、テキトーに歯磨きをしていても白くきれいな歯になります。歯が白くなれば満足なわけですから、これ以上なにもする必要はありません。
すると、表面の歯は白いのによく見ると歯間が変色して虫歯になっている、前歯はきれいだけど奥歯は虫歯や銀歯がたくさんある。みせかけのホワイトニングなんて、わたしからすればなんの魅力も感じません。
本当に歯を気づかうということは、一本一本の歯を念入りに磨き、デンタルフロスで歯間や歯と歯茎の間まできれいにすること。正しい歯磨きをすると30分くらいかかります。イケイケの若者はもちろん忙しいサラリーマンだって、きっと歯磨きにそんな時間をさいていないのが現状でしょう。
デンタルフロスを知らない日本人
あるとき「フロス」というと「なにそれ」と返ってきたことがあります。そのとき「だからか口臭がするのか」と心の中で納得しました。このように、日本人はデンタルフロスを使わない。歯磨きとマウスウォッシュをしておけばOKといった人が多く、糸を張って使うタイプのデンタルフロスが定着していないことにおどろきます。アメリカではごく普通なのに。
また、ドラッグストアにはデンタルフロスよりも歯間ブラシや糸ようじのほうが多く置いてあります。歯間ブラシでは肝心な歯周ポケットの汚れがとれずあまり意味がないのに、日本では売れているのでしょう。ここも、日本人の間違った認識です。
理想を求める前に歯を治すべき
30代過ぎて白馬の王子さまを待っている女性がいます。わたしが結婚できない理由はいい男がいないから。周りの男は年収も低いし顔もイマイチ、しかも仕事ばかりで出会いがない、と。
このような、とんだ勘違いをしている女性ほど黄色い歯をしていています。また、歯並びが悪くガミーフェイスである確率も高いでしょう。これは、言い訳ばかりして他人事のようにすませる習慣があるからでしょうか。妙に納得してしまいます。
とにかく本気で婚活に挑むなら、お金をかけて歯をきれいにするべきです。自己投資しないで理想ばっかり追い求める女性には、白髪の独居老人すら現れません。
むしろ、100万円の自己投資をすれば理想の男性にすぐ出会えますし、歯がきれいになれば今後の人生のクオリティがおどろくほど高くなります。