あなたはこのようなことで悩んでいませんか。
- 検索エンジンの検索結果に自分の名前がヒットする
- 検索エンジンの画像検索で自分の顔写真が表示される
- ネット上にある自分の名前、写真、経歴を消したい
- 投稿者に削除申請をしたが対応してくれない
- 弁護士や削除代行会社は高額すぎる
誰もが見られるネットだからこそ一刻も早く消したい。忘れられる権利のないネットだからこそ、消したいと思ったときに消すことがなによりも大切です。では、そのためにはどのような手順でなにをしたらいいのでしょうか。ここではこのような内容をご紹介します。
- 削除依頼のファーストステップ
- 削除しても残っているときの対処法
- 相手が削除に応じてくれないときの対処法
- 正しい知識を持つことの重要性
なるべく早く自分で対処する
グーグルの検索結果でヒットしてしまうケースの一例です。
- 友達が勝手に投稿したSNSの写真
- ママ友が投稿した掲示板の悪口
- 以前勤めていた会社の従業員に残ったままのフルネームと顔写真
- 過去のコンテストで優勝したときの写真や経歴
- 本名で登録しているSNSのアカウントで書き込んだコメント
- メルカリやジモティなどアプリのアイコンに設定している顔写真
- 過去に書いたブログの記事
例えば、「青木裕子」のキーワードで本人の顔写真が表示されたら、本名とその顔写真が関連づいているということ。「青木裕子」の本名と関連づいていない写真は、たとえそこに本人が写っていても表示されません。
これら一連のケースは何かしらのかたちでフルネームと一緒に投稿されているということです。そして、その情報は自分で削除することができます。
すごく悪質なケースや誹謗中傷の書き込みにより損害賠償を請求したい場合は弁護士に相談する必要がありますが、ネットの情報を削除するだけならその必要はありません。
一度ネット上に公開された情報は第三者が簡単にコピーし拡散できてしまうので、そうなる前に削除することが大切です。
軽い気持ちが後悔のもとに
ネットに顔写真や実名を投稿すると、いつか消したいと思ったときに苦労します。それは、知らないうちにさまざまなサイトに掲載され、どんどん拡散してしまうことがあるからです。
軽い気持ちでアップしがちなインスタやツイッターも、その投稿は誰もが見られる状態にあるということを忘れてはなりません。
もちろん、そこに実名が載っていて、また別の日に自分の顔写真が投稿されれば、Google画像検索で自分の名前を検索したときに自分の顔写真が表示されてしまうことになります。
一度公開された写真は大元の投稿を削除しない限り、Google画像検索のキャッシュを削除しても消えることはありません。
また、自分で投稿しなくても他人が勝手にネットに載せてしまうケースもあります。例えば、LINEで友だちに自分の写真を送ること、友だちと一緒に写真を撮ることは、知らないうちに自分の写真がネットにアップされてしまうことにつながるので、日常生活のなかで自己防衛することも必要です。
元のページを削除する
まず、ネットから自分の情報を削除するには、元のページを消す必要があります。
よく勘違いするのは、検索エンジンのキャッシュを削除すればネットに表示されなくなるということ。そもそもキャッシュとはサイトの情報をある一定期間サーバに保管しておくもの。キャッシュとはいわゆるコピーにあたるわけで、実際にまだネット上に該当の情報が残っていればキャッシュを削除しても消えることはありません。
また、グーグルの検索結果や画像検索に表示される情報はグーグルが所有しているわけではありません。なので、ネットに自分の顔写真などが表示されてしまう場合は、それを投稿した人が削除しなければ消えません。
SNSなど自分のアカウントで投稿したものは自分で編集し、第三者の投稿によるものはDMや問い合わせから削除申請します。
例えば、友達がインスタに勝手に投稿した写真を消したいときは、その友達に消してもらうようにお願いすればOKです。残念ながら不適切な投稿と通報したり運営会社に連絡するなどの方法では削除できません。
それは、それぞれのSNSには削除ポリシーがあり、ほとんどの場合がポルノや違法なコンテンツでない限り削除できないとされているからです。
また、友達が投稿した写真と自分を関連づけたくない場合は、タグ付けを手動で承認するように設定しておきます。そうすることで自分のアカウントとリンクされることはなくなり、名前で検索しても表示されないようになります。
投稿そのものを完全に削除する必要はなく、自分の本名や顔写真など消したい内容を消去または変更するだけでOKです。
第三者に削除依頼をするときは、スムーズに対応してもらうために以下の項目を簡潔に記載します。
- 投稿URL
- 投稿日時
- 削除を求める箇所
- 削除を求める内容
ちゃんと消したのにまだ表示される
元の投稿が削除されたのにグーグルの検索結果にひっかかる原因は大きく2つあります。まずはグーグルのキャッシュが表示されているケース。これは時間が経てば表示されなくなるので心配はいりません。
しかし、早急に消したいときは Google Search Console にログインして削除をリクエストします。ちなみにヤフーもグーグルの検索エンジンを使っているので、コンテンツの削除はグーグルだけにリクエストすればOKです。
リクエストの承認後、1〜2週間でネット上から完全に削除されます。リクエストが不承認となった場合は、まだサイトに情報が掲載されている可能性があります。これがもうひとつの原因です。その場合はその投稿自体を削除しなければなりません。
例えば、アメブロ、ツイッター、ヤフオク、YouTubeなど拡散性の高いサービスは他の転載サイトにコピーされやすい傾向があります。
これまで検索結果の上位に表示されていた元の投稿が削除されたことで、その陰に隠れていた投稿が押し上げられて目についてしまったというわけです。
このように外部サイトへロボットが転載した場合も削除方法は同じです。しかし、すでに多くのサイトにコピーされてしまっている場合はひとつひとつ削除依頼をしなければならないので、手間と時間と根気が必要です。
相手が削除に応じてくれない
DMや問い合わせから削除依頼をしても、なかなか削除に応じてくれない。このようなケースはプロバイダ責任制限法による削除申請が有効です。
プロバイダ責任制限法とは、名誉毀損、プライバシー侵害、肖像権侵害、営業妨害といった情報を、プロバイダの責任を明確にしたうえで送信防止処置を命じるというものです。
ようするに有名人や政治家ではない一般人であるにもかかわらず、自分のプライバシーにかかわる情報がネット上に公表されている。その責任はプロバイダにあるので、削除を求められたらその要求に応じなければならないというわけです。
プロバイダ責任制限法による削除依頼はすべて書面でおこないます。定型のフォーマットで必要事項を記入し、公的な身分証明書と一緒にサイトの運営会社へ郵送します。このとき、送達過程が記録される簡易書留で郵送することをおすすめします。
違法・有害情報相談センターに相談すると詳しい手順などを教えてくれます。
このプロバイダ責任制限法が適用されるのは日本のサイトだけです。海外のサイトはこのガイドラインが適用されません。たいていのケースは運営会社のある州の法律にもとづいて対応されます。プロバイダ責任制限法が無効だからといって削除に応じてもらえないわけではありませんが、それぞれの言語で削除申請しなければならないうえにまったく返信がないこともあります。
新たなトラブルを防ぐには正しい知識が必要
掲示板の書き込み、誹謗中傷、嫌がらせ、ネットいじめ、リベンジポルノ、どんな内容であってもプロバイダ責任制限法で第三者に削除申請できるのは本人のみです。削除代行や風評対策の専門会社に高額な費用を払って削除を頼む必要はありません。
また、弁護士を代理人とすることもできますが、名誉毀損やプライバシー侵害により損害賠償請求をするわけでなければ自分でもできます。
「グーグルやヤフーの検索結果は最初の1ページしか見られないから、その順位を下げれば大丈夫だよ」と、逆SEOという手法をもちいる会社もあります。しかし、順位を下げたところで元のページは残っていますから、根本的な解決にはならず、永久的に費用を支払うことになりかねなので注意が必要です。
エゴサーチによって自分の顔写真や書き込みが表示されてしまうと、気になって何度も検索しがちです。しかし、自分の名前で何度も検索すると、グーグルは関連ページを検索結果の上位に表示してしまうので必要以上に検索しないことが大切です。
ネットの写真は簡単に消せない
アメリカ人はネットに自分のことが載ってもあまり気にしないようですが、日本人はそこそこ気にします。実名利用のフェイスブックがあまり日本で流行しなかった理由も、ここにある気がします。
そして、グーグルの画像検索に自分の顔写真が表示される、自分の名前で検索すると検索結果にヒットする、このような事態に悩む人はとても多く深刻な社会問題となっています。
わたしもネットに自分の写真や情報が載るのは嫌です。公開されているということは、かたちや大きさを変えて広がる可能性があるからです。
実際にわたしも過去のプライベートをTwitterに投稿していました。しかし、就活の時期に先生から「今はネットやSNSの投稿も調べられるから注意するように」と言われたことがきっかけで、これまで投稿したすべての情報や写真を削除するべきだと気づきます。
ネットに表示される情報を削除するのはとても大変でした。もちろん、そのなかには自分の顔写真もたくさんありました。作業中はまるで出口の見えないトンネルの中にいるようで、何度か現実から逃げました。
運良くわたしは最終的にすべて消すことができましたが、それまでに要した期間は5年以上。この経験から学んだことは「ネットの写真は簡単に消せない」ということです。
じつは完全に消せなくても大丈夫
わたしは最初に「ツイッターのアカウントを削除するだけでしょ?簡単じゃん。」と思っていました。しかし、実際にはほとんどの投稿がツイッター以外の外部のサイトに転載されていました。
その実態は、第三者が勝手に自分の写真を使ってブログを投稿したもの、ツイートを自動収集したまとめサイトによるものなど本当にさまざまでした。
このように、インスタやツイッターなどのSNSの枠を超えて他のサイトに掲載されてしまうと、サイトの運営者や記事の投稿者それぞれに削除を依頼しなければなりません。大元の情報を消すことができれば、永久的にネット上から自分の情報が消すことができます。
しかし、これでも完ぺきではありません。第三者が自分の写真を使って投稿したということは、そのデータを持っているということです。もし削除依頼に応じてくれたとしても、そのデータを持っている限りまた悪用される可能性も否定できません。
一度ネットに公開した自分の写真や情報を完全に消すことは不可能というわけです。
しかし、グーグルで自分の名前を検索してもヒットしないようにすることは可能です。ネットにある自分の情報を完全に削除することができなくても、その数が減るだけで拡散するリスクは大幅に低くなります。そして、人の目に触れる回数が少なくなれば次第にグーグルの検索結果にも表示されなくなっていきます。
というのも、グーグルは多くの人が頻繁にアクセスするページを検索結果の上位に表示させるからです。そのため、あまり見られなくなったページは検索結果の下位に表示されるようになり、次第にネットから消えたようになるわけです。
海外サイトの削除依頼はむずかしい
わたしの顔写真を勝手に使った投稿がインスタにありました。インスタやツイッターなど他人の投稿を削除したい場合は、その人に直接DMを送って消してもらうようにお願いします。相手が削除依頼に応じてくれたら解決です。
しかし、なかなか削除に応じてくれない、まったく反応がないといったケースも少なくありません。また、削除依頼先が法人のサービスというケースもあります。その場合はサイトやサービスの運営会社に連絡し削除してもらう必要があります。
わたしの経験上、日本と海外ではネットのプライバシーに関する解釈に温度差があります。削除先が日本の会社であれば、日本の法律が適用されるのでプロバイダ責任制限法により対応してもらえるケースが多いです。
しかし、削除先が海外の会社であれば、それぞれの国の法律にもとづいて対応されるので、まったく動いてもらえないケースもあります。また、アメリカの場合は州ごとに法律が異なる点も注意が必要です。
法律はもちろん言語も異なります。削除依頼の文章は現地の言語で作る必要があるので、これもまた大変です。
一難去ってまた一難、この繰り返し
わたしはTwitterのプロフィールで自分の名前を公開していたので、Googleで自分の名前を検索すると、ツイートしたすべての写真がGoogle画像検索に表示されていました。
また、@〇〇〇〇とIDで検索すると、過去のすべてのツイートがGoogleの検索結果に表示されるようになっていました。途中で数回TwitterのIDを変更していたので、過去に使用したIDを思い出して検索すると、またそれもヒットしました。
わたしは「ツイッターほどネットに残り続けるものはない」と恐ろしくなりました。
グーグルで自分の名前をヒットさせないためには、グーグルのキャッシュを削除するわけでもなく、ひとつひとつ情報の削除を依頼するしか方法はありません。逆SEOや風評対策は根本的な解決にならないのでおすすめできません。
しかし、一番有効な方法は、ネットに自分の名前や顔写真を投稿しないことです。