歯は削るほど悪くなる
「虫歯って本当に恐ろしい。だって、一度なったら治らないんだよ。」
この事実に気づいたのは、奥歯4本を虫歯治療し、そのうち3本の神経を抜いたときでした。
よく誤解しがちなのは「虫歯は歯医者に行けば治療してもらえる、だから治る」ということ。しかし、それは虫歯を削って取り除いているだけ。一度削った歯は健康な歯に比べ弱くなり、細菌の感染もしやすくなります。
歯は削れば削るほど悪くなっていきます。銀歯にしたから大丈夫と思っていたけれど、歯の根から膿んできて何度も虫歯を繰り返す二次カリエスもこのひとつです。
虫歯は人生をもむしばむ
わたしはもともと歯質が弱いうえに正しい歯の知識がなく、歯磨きもおろそかにしていました。そのツケが大人になってまわってきて、つらい痛みと多くの時間、そしてトータルで200万円近いお金を失いました。
きっと、虫歯を経験していない大人はデヴィ夫人くらいでしょう。夫人は毎日5回も歯を磨くそうです。虫歯はポピュラーな病気ですが決して軽視してはいけません。
すべては予防歯科
わたしは知り合いの歯科衛生士と歯科医師に相談し、虫歯予防にとってベストな習慣を考えました。そしてここ数年、それを実行しています。あとから知ったのですが、わたしのオーラルケアは歯科先進国のスウェーデン式虫歯予防法と似ているようです。
虫歯を放置することはもってのほか。歯質や体質的な問題で虫歯になりやすい人だって、正しい知識をもとにオーラルケアの習慣をつくれば、これ以上虫歯を増やすことはありません。
デンタルケアは毎日のこと。ちょっとした間違いもつのりつのって大きな過ちに発展しがちです。まず、虫歯になりやすい大人や子どもは「歯にとって何が良くて何がダメなのか」をしっかり理解したうえで、自分にあった対策を選ぶことが大切です。
フッ素を塗って歯質を強くする
日本人の歯質は丈夫ではありません。そのなかで、よく虫歯になりやすい人とは、生まれつき歯の質が弱く、虫歯菌による酸によって歯が溶かされやすい特徴があります。
そこで効果的なのがフッ素を塗ること。フッ素を塗る習慣をつければ虫歯になりにくい強い歯が作れます。わたしは、コンクールジェルコートF で毎日歯磨きをするようになってから、一度も虫歯になっていません。もちろん定期検診をしていますが、歯の表面がツルツルになって強くなった気がします。
しっかり歯磨きしているのに虫歯になりやすい人は、いつもの歯磨きのあとにフッ素でコーティングすると、びっくりするくらい効果を感じます。
ブクブクゆすぐとフッ素が落ちてしまうので、軽くすすぐ程度に。わたしは薬用マウスウォッシュの コンクールF でささっとすすぐだけです。
3ヶ月に1回の頻度でプロに頼む
わたしたちには自然治癒力がありますが、残念ながら歯は自然に治りません。虫歯を放置するということは、病気をどんどん進行させているということです。
また、どんなに丁寧にブラッシングしていても、完璧にきれいすることは不可能です。落としきれない歯垢やバクテリアを除去するためにも、歯の定期検診とクリーニングは必要です。
もともとわたしは、半年に1回の頻度でクリーニングをしてもらっていました。しかし、虫歯になりやすい体質なのか半年後の検診で小さな初期虫歯がみつかりました。毎日ちゃんと歯磨きとフロスをしていたのにです。
そのことを歯科衛生士さんに相談すると、「最近では半年に1回だと虫歯や歯周病が進行する恐れがあるから、3ヶ月に1回の頻度を推奨している」と言われました。
3ヶ月に1回の定期検診は大変です。しかし、虫歯になってから治療で通い続けることを考えると、時間とお金を大幅に節約できます。虫歯の痛い症状があらわれてからでは遅いということです。また、こまめに検診をしていれば早い段階で虫歯を発見できます。
フロスで虫歯リスクを大幅に減らす
虫歯ができやすい箇所はおもに3つ。それは、奥歯の溝、歯の根元、歯と歯の間です。これらを綺麗にしようと思うと歯ブラシだけでは不十分です。
じつは歯ブラシだけでは全体の60%しか汚れが取れていません。
歯と歯の間は歯ブラシが届きにくく、いくら時間をかけてもプラークはきれいに落とせません。なので、歯間は虫歯になりやすい箇所なのです。
わたしは、だ円形の糸ようじを使っていましたが、最近は指に巻きつけて使うタイプのフロスを使っています。その理由は、歯間だけでなく歯の根元などの歯周ポケットもきれいに掃除したいからです。
デンタルフロスは慣れるまで苦労しますが、これが習慣になるとフロス無しでは生きていけなくなります。意外と口臭の原因は奥歯の歯間に詰まった汚れだったりするので、なかなか口臭が改善しない人にも効果的です。
また、歯並びが悪い人は隠れたくぼみにプラークが溜まりやすいので、タフトブラシの併用が必要です。
歯磨きだけでは虫歯ができるのは時間の問題です。また、虫歯にならない歯磨き粉なんてありません。最新機能を搭載した高価な電動歯ブラシを使っていたとしても、正しいオーラルケアができていなければ意味がありません。
歯医者は疑ってかかる
わたしは転職を機に引っ越ししたときに自分に合う美容院はすぐにみつけられたけど、歯医者は1年かかりました。
コンビニよりも多い歯医者だからこそ、アタリよりもハズレが多い。むかし、何も考えずに近くの歯医者に通っていたらどんどん歯を削られたあげく簡単に神経を抜かれてしまったため、歯医者選びには人一倍気をつかうわけです。
わたしの経験から、かかりつけの先生を根拠もなしに信頼してはいけません。先生がやさしいから、受付や歯科衛生士さんが美人だからといった理由で通い続けるとあとで痛い目にあいます。
治療を丸投げするのではなく自分でリスクやデメリットを調べること、すすめられたからとお願いするのではなく必要であれば保険外の自由診療やセカンドオピニオンを選択することが大切です。
いい歯医者選びの基準
その治療が正しいのか、ドクターの腕は確かなのか、これを把握することは簡単ではありません。実際に治療をおこなって「おかしいな」と思ったらすぐ転院するだけのはなしです。しかし、これといった不具合がなく現状に満足していると、不適切な治療に気づきません。
歯は削れば削るほど弱くなりますし再発のリスクが高まります。実際のところ、そんなさきのことなんて関係ないというドクターがほとんどで、実際に歯を長く持たせる治療をおこなうドクターはほんの一部だと思います。
そこで、わたしは客観的に判断しやすい内容で歯医者を選んでいます。
- 毎回治療の前に歯科衛生士さんがヒアリングをしてくれる
- 定期的に一眼レフで歯の全体の写真を記録として撮影してくれる
- ドクターや歯科衛生士の経歴、所属学会、ライセンスが掲示してある
- ホームページにスタッフの顔写真が掲載されている
- 過度にネットで広告を掲載していない
- CTスキャンなど最近の設備がある
- 整理整頓ができていて掃除が行き届いている
見落としがちな間食をやめる
虫歯の原因は食べ物以外にもストレスや睡眠不足があります。しかし、一番の要因は食事、そのなかでもお菓子やジュースの不規則な間食が多くを占めているように思います。
というのも、口の中に食べ物を入れるとその糖分をもとに酸が作り出されます。すると、その酸が歯を溶かしていくからです。
この虫歯のメカニズムから考えると、虫歯予防には間食ごとに歯磨きをする必要があります。しかし、そんなわけにはいきませんので間食は控えるかやめないと、歯の脱灰が進みやすい環境を作ってしまいます。
ジュースや炭酸飲料は歯を溶かす
甘いジュースやスポーツドリンクを習慣的に摂る人は危険です。マウスウォッシュがジュースに変わったように液状の糖分が歯の隅々まで行きわたり、より脱灰のリスクが高まります。
また、炭酸飲料は歯を溶かす酸蝕歯(さんしょくし)の原因に。歯の表面のエナメル質は人間の体で一番硬い組織ですが、唯一の弱点があります。それは酸です。
コーラやエナジードリンクを好む人は、知らぬ間に歯を溶かしているかもしれません。それでもジュースを飲みたい人は、飲んだあとにミネラルウォーターでジュースの糖分を洗い流すようにしましょう。
市販の歯磨き粉は使わない
本当に歯の健康を考えるのなら、大衆的な歯磨き粉は使うべきではありません。「万人ウケ」するものではなく「本当にいいもの」は、有名人を起用しテレビCMなど広告にお金をかけなくても、おのずと支持されます。
また、ホワイトニングをうたった安価なペーストは強い研磨剤を配合し、デリケートな歯の表面を傷つけてしまう恐れがあります。
「細かい粒子の粒が汚れをかき出す」がうたい文句の歯磨き粉も、この粒子が銀歯や歯根の隙間に入り込んで、炎症などのトラブルを引き起こしてしまうことがあります。
わたしはほとんどの歯科医師が推奨する コンクールジェルコートF と 歯科先進国アメリカで数々の賞を受賞している スーパースマイル を使っています。
口腔内の乾燥には気をつける
唾液が少ないと虫歯ができやすくなります。それは、唾液には虫歯菌による酸を中和し虫歯をできにくくする役割があるからです。
口が渇くと口臭が気になりませんか?このとき、舌に白い苔(こけ)のようなものが付着しているはずです。この舌苔(ぜったい)が多く付着しているときは唾液の分泌量が少なくなっているとき。
唾液が少なく乾燥した口の中は、バクテリアといった虫歯菌が増殖しやすい環境です。逆に唾液が多く分泌しているとより再生灰化が進み、虫歯菌を抑制してくれます。
緑茶やコーヒーに含まれるカフェインには唾液の分泌を減らすデメリットがあるので、できるだけミネラルウォーターを飲むようにしましょう。
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