片手間ではダメ、時間とお金がかかる
恋活、婚活が手軽にできるマッチングアプリは月3,000円~利用できるので、街コン、恋活パーティー、結婚相談所と比較して安いと思いがち。しかし、交際に発展するような相手とはそう簡単に出会えるものではありません。
マッチングした女性とメッセージを交わしても、その女性と必ず会えるわけではなく、なかには途中でメッセージが途切れることもあります。
スムーズに話が進んでもマッチしてから実際に女性と会うまでには3〜4週間、1ヶ月に1〜2人の女性と会えたらいいほうです。
となると、合コン、街コン、婚活サークルといったはじめから対面するイベントのほうが、たとえ1回の参加費が高くてもコスパがいい。
1万円近く課金してやっと理想の女性に出会えるケースもあれば、そうでないことも大いにあります。もちろん、1~2人目で運命的な出会いをする可能性も否定できません。
しかし、ペアーズの料金表が6ヶ月のプランを推奨しているのは、少なくとも半年間は利用しないと彼女をつくるのは難しいということ。
1ヶ月しか試してない、自動更新をオフにしてる、気が向いたときに使ってるといったようでは、きっと彼女はできません。逆にいうと、時間とお金を惜しまなければ理想の相手に出会えるということです。
ユーザー数が増加し、競争率がすごい
数年前はネットで恋人を探すことに抵抗のある人が多く、Facebookを使ったサクラゼロのマッチングアプリでもあまり会員数が多くありませんでした。
いま思うと、ペアーズやOmiaiがリリースされた頃のほうがいまよりも出会いやすく、むしろ1番いい時期だったのかもしれません。
ここ数年マッチングアプリの市場が大きく伸びるとともに、ペアーズ、ウィズ、タップルあたりのアプリは、男女ともに若年層のユーザーを大きく伸ばしています。
となると、必然的に魅力的な女性は競争率が高くなり、男性は有名大学を卒業、そこそこの年収、笑顔が素敵なイケメン、おしゃれな趣味、イケてる職業といったいわゆる高スペックでないとマッチングに苦労するわけです。
また、これらの情報にくわえ、プライベートの写真、将来像や結婚後のイメージが浮かぶプロフィールを公開しているかどうかも重要となってきます。
ユーザー数が多ければマッチングしやすいと思いがちですが、それはもう過去のはなし。
女性はいいねがたくさん来るので、よほど自分が魅力的でない限り簡単にはマッチングできません。
価値観やメンタリストDaiGoの心理学にもとづいたウィズならもうすこしスムーズにマッチングするかもしれませんが、とくに直感でいいねすることが多いペアースは厳しいのではないでしょうか。
女性は選び放題、いいオトコばかり注目される
このようなマッチングアプリは男性から女性へ積極的にアプローチするのが主流です。
ほとんどの男性は課金のノルマを達成するため、なかなかマッチしない現状を打破するため、数を打ってマッチングの確率をあげるためといった軽い気持ちで女性にいいねしていることでしょう。
すると、女性はアプリをはじめた途端に多くの男性からいいねをもらうことになります。これまでモテなかった女性ですらあたかも自分が魅力的であると勘違いするほどです。
そんな多くの男性からいいねをもらい、かつ女性からいいねをすれば多くの確率でマッチングする。女性は自分好みの男性を好き放題選ぶことができるわけです。
となると、どんどんわがままになっていき、必然的に男性に対する理想が高くなります。
たとえ男女の比率が同程度であってもこの恋活アプリ独特の風潮が変わらない限り、学歴、年収、ルックスに自信のない男性は先の見えない課金を続けることとなります。
つぎに進まない原因が、フェアじゃない料金体制にある
男性は月々の料金を支払わなければ満足にメッセージのやりとりすらできませんが、女性は永年無料でほとんどのサービスが利用できます。
ということは、女性には経済的理由による焦りやノルマがないので、じっくりと理想の彼氏を探し続けることができます。
一方で男性は月3,000円課金しないと女性とやりとりする権限が与えられません。すると、男性は実際に会った女性のなかから理想の女性を探そうと努力します。しかし、女性には男性ほど懸命に選ぶ必要性がなく、「ちょっと違うな」と思えば「もっといい人がいるかも」と簡単にパスできるわけです。
実際に会っていい感じでも、そのあと一切の連絡が途絶えた。これは、女性に先ほどの心理が働いたからでしょう。
じつは、この心理は経済学における留保水準というもの。たとえば、1年間に出会う人数が3人くらいとすれば「このくらいならOKかな」と、ある程度の妥協をしつつその少ないなかから選ぼうとします。
しかし、マッチングアプリで多くの人と出会うチャンスがあると、「もっといい人と出会えるかもしれない」という期待と欲に負けて判断を先延ばしにします。
多くの人と出会うチャンスがあると妥協することなく恋人を探すことができますが、そのぶん求める理想も高くなるということです。
このように、女性は財布を痛めることなく納得いくまでずっとアプリを使い続けることができます。もしこのサービスが3ヶ月しか利用できないとなれば、その期間内に納得いく判断をくだすはずです。
詳しいプロフィールが、運命を引き裂く
出身校や年収はもちろんのこと、血液型、結婚に対する価値観、初回のデート代まで詳細にわかるプロフィールにも、先ほどの留保水準が関係してきます。
これだけ詳しい情報のなかから相手を選べるとなれば、やはり自分に都合のいい人を厳選するに違いありません。
これは、マッチングアプリのメリットですが、男性が選ばれる環境においてはデメリットに働くことが多いのも事実。もっとも理想に近い男性を、実際に会うことなくスマホの画面上で判断できれば、効率的にパートナーを探せて失敗もありませんからね。
このように、女性は男性からのいいねを書類審査にかけ、そのなかから選ばれた男性だけにいいねを返すわけです。
また、ルックスも年収も条件を満たしているのに猫アレルギー、といったように、A.B.C.の情報がOKでもD.の情報がNGでスルーされてしまうこともあります。
判断する情報が多ければ多いほど男性への条件は厳しくなります。また、女性においても合理的に彼氏を探すことで、感情的に惹かれる男性、いわば運命の人に出会えるチャンスを無駄にしているかもしれません。