大人アトピーを悪化させる意外な食べ物 正しい食事と治し方

答えはシンプル

こんなにもネットに情報が溢れているのに、ステロイド治療以外の記事はほとんどがアトピービジネス。たいていのアトピービジネスは「ステロイドは悪」とステロイド治療を不安に思う人の弱みにつけこみ、長い時間と高額な治療費を必要とします。わたしもこれまで「アトピーに効く、これで完治できる」といった治療法をいろいろ試してきましたが、最終的には治りませんでした。

アトピーは根本的な原因とメカニズムをしっかりと理解すれば絶対に治すことができます。まずは、リノール酸を多く含む植物油を断ち小麦粉や肉類も控えること。どんなに重度で慢性化した大人のアトピーも、これだけでほとんど完治できます。

そう、私はこれでアトピーが治ったんです。

もちろん肌のバリア機能を高める、ストレスを解消する、薬とうまく付き合うといったことも大切でしょう。しかし、こういったことだけを述べている専門医の記事はどうかと思います。だってこれで完治しないからみんな悩んでいるんです。

アトピーを治す方法はとてもシンプルで合理的です。最初は信じられないと思いますが、まずは1週間試してください。1ヶ月後にはアトピーが消えちゃった、と実感すると思います。これは慢性化した大人アトピーを完治に近づけた、わたしの体験談でもあります。

アトピーは治る

アトピー性皮膚炎は完治させるというよりも日常生活に支障のない程度まで症状を抑える、予防するといったほうが現実的です。というのも、アトピーは生まれ持った体質なのでうまく付き合うしかないんです。

すこしショックを受けたかもしれませんが、アトピー特有の体質を理解しそれに合わせた生活に変えることで、アトピーの症状はほとんど出なくなります。

実際にわたしはそこそこ重度の大人アトピーに悩んでいました。そのため、春や秋の花粉が飛散する時期は全身が赤くボコボコしていて、尋常じゃないほどの痒みに悩まされていました。しかし、いまでは日常生活に支障のない程度にまで症状が軽くなりました。

アトピーが悪化する本当の原因

  • 体内に溜まった悪い油
  • 体内に溜まった水分の排出不足
  • 腸内環境の悪化
  • 体内に溶け出した銀歯

アトピーにとって悪い油とはリノール酸(オメガ6)を多く含む植物性の油。サラダ油などの植物油は酸化しやすいうえに体内に溜まりやすく、アトピーを悪化させる原因の大半を占めています。

また、体内に滞った水分の排出不足、腸内細菌バランスの乱れもアトピー性皮膚炎を悪化させる原因です。

このようなことからアトピーの人が食べてはいけない、控えるべきものは、リノール酸を多く含む植物油、肉、小麦、砂糖、卵、動物性たんぱく質、糖質です。

これをできる限り排除した食べ物がアトピーを治す食事です。これが実行できれば体質改善や糖質制限も同時にしていることになり、健康的なからだを手に入れることができます。

アトピーは引き算で治す

アトピー性皮膚炎を治すには、まずこの原因を解決しなければなりません。アトピーの本質を理解せずに悪いものを食べ続けていると、どんなに優れた治療を試しても一向によくなりません。

また、べつのところでは虫歯治療で詰めた銀歯がアトピーの症状を引き起こしていることがあります。銀歯が酸化してイオンが体内に溶け込み金属アレルギーを発症するケースです。

まず、本気でアトピーを治したいのなら銀歯を取るべきです。どれだけアトピーに良いことをしても原因である銀歯が残っていればよくなるわけがありません。

アトピーを治したいがために、さまざまな治療方法を試すことは『足し算』、アトピーの原因を排除し、体内の有害物質をクリアにすることは『引き算』。これは銀歯に限ったことではありません。

例えば、からだを掻かなければアトピーは治ると聞き、症状がひどくても叩いたり冷やしたりし掻かないように過ごしています。それと同時に食生活も気をつけているかもしれませんが、肉やヨーグルト、サラダ油を使った料理を食べていては根本的な解決はしていません。皮膚を掻かないことで症状を最小限にとどめることはできても、炎症を起こす原因を排除できていないわけ、いわばいたちごっこです。

この『引き算』は、アトピーの治療においてもっとも重要なことです。

リノール酸を含む植物油をとらない

皮膚科の先生は大人のアトピーと食べ物は関係ないといい、根本的な解決策を教えてくれません。しかし、アトピーの症状が悪化する最大の原因は体内に溜まった悪い油にあることを絶対に忘れてはなりません。それは、この悪い油が体外へ排出しようとするときに痒みを発症するからです。これが、アトピーの症状が起きる根本的な原因のひとつです。

皮膚科でステロイドやかゆみ止めの薬をもらっても良くなったり悪くなったりを繰り返すのは、そもそも根本にあるこの原因を解消できていないからです。

リノール酸は摂りすぎると体に悪いと言いますが、アトピーの人は摂ってはいけません。極端な話、リノール酸を断つだけでアトピーは治ります。かゆみが我慢できなくても1週間後には治ります。これはわたしが経験済み、ウソではありません。

ごま油、サラダ油、ひまわり油、コーン油といった植物油はリノール酸を多く含みます。また、前者ほどではありませんが、菜種油、米油もリノール酸を含むので控えたほうが無難です。

一見アトピーに良さそうなナッツ類や大豆もリノール酸を含んでいることがあるので、食べ過ぎるとアトピーが悪化してしまいます。腸に良いとされる納豆も、ちゃんと発酵しているものを選ぶ必要があります。安価なものは納豆菌をまぶしているだけでちゃんと発酵していないことが多く、その場合はアトピーによくありません。

この本 にも書かれていますが、アトピーの症状が出ている状態はからだに火事が起きているようなもので、その火事の元はリノール酸を含む油。ステロイドで消火活動をおこなっても、火の元であるこの油を断たなければ一向に鎮火できません。

マーガリン、ショートニングといった植物油を加工した植物性油脂はトランス脂肪酸を多く含むので凶悪。まだバターのほうがいいくらいです。

そして、わたしがたどり着いた油断ちのしかたは食事を和食に変えること。アトピーは和食で治せとはよく言ったものです。味噌汁、ほうれん草のおひたし、きんぴらごぼう、ひじきの煮物、刺身といった昔ながらの和食はほとんど油を使いません。大人アトピーの食事レシピは つくおきシリーズ がとても参考になります。

オリーブ油は○、えごま油は◎

オリーブオイルは熱しても酸化しにくいオレイン酸(オメガ9)を含むので、アトピー性皮膚炎においては中立な油です。

オリーブ油を買うときはガラス瓶で遮光されたものを選ぶようにし、最小限の使用をこころがけることが大切です。わたしは調子に乗って大量のオリーブオイルで野菜炒めを作ったら、アトピーがひどくなったことがあります。オリーブ油もトランス脂肪酸をまったく発生させないわけではないので注意が必要です。

また、積極的に摂るべき油があります。それはαリノレン酸を含む亜麻仁油(あまに油)、しそ油、えごま油です。αリノレン酸と呼ばれるオメガ3はアトピー疾患を抑制する働きがあるので、毎日スプーン1杯を積極的に摂るべきです。しかし、加熱調理には向いていないので注意。わたしはいつも味噌汁とサラダに小さじ1杯のえごま油を入れると、肌の調子がいいです。

亜麻仁油やエゴマ油がブームになったときは、みんなこぞって買っていました。しかし、体に良いからといつもの食事にエゴマ油を『足し算』していては、ほとんど意味がありません。逆にリノール酸を含む植物油を『引き算』したうえで毎日えごま油や亜麻仁油を摂れば、完治期間は1ヶ月もあれば十分でしょう。

魚をとる

サバ、イワシ、アジ、カツオといった青背の魚からは、アトピー性皮膚炎にいいとされるα‐リノレン酸(オメガ3)が摂れます。α‐リノレン酸を摂るとEPA(エイコサペンタエン酸)を経てDHAが合成され、アトピー疾患を抑制する働きをします。

わたしはスーパーで特売品の青魚を大量に買ってきたら、それをダイソーで買った30枚入り100円のフリーザーバッグに小分けし冷凍庫で保管します。

わたしはフライパンに油を敷いて魚を焼きません。いつも焼き魚は電子レンジのグリルで焼き、油を使わずに調理します。なによりも手軽で簡単なので継続できる点が魅力です。

肉や乳製品をとらない

ヨーグルトを食べ続けたらアトピーが悪化しました。

なぜ健康に良いとされるヨーグルトを食べたらアトピーが悪化したのか、最初はわかりませんでした。しかし、動物性タンパク質に焦点をあてると次第にナゾが解けていきます。

まず、アトピーには腸内環境および腸内フローラを整えることが大切だと思っていたので、そのためには『善玉菌=ビフィズス菌=ヨーグルト』と思い込んでいました。しかし、そもそもヨーグルトのビフィズス菌が腸に直接届くという根拠はないそうで、なぜヨーグルトが体に良いのかはっきりと解明すらされていないそうです。

そして、ヨーグルトには動物性タンパク質が多く含まれていて、この動物性タンパク質はとても消化が悪く腸内環境を悪化させてしまいます。うまく分解されないタンパク質が腸壁に入り込み腸粘膜を弱らせると、アレルギーを抑制する働きが弱まりアトピー疾患が発症するわけです。

動物性タンパク質を多く含む、鶏肉、牛肉、豚肉、ハム、ベーコン、ソーセージといった肉類、チーズ、ヨーグルト、牛乳、乳酸菌飲料は控えるべきです。

小麦粉をとらない

アトピー性皮膚炎はわたしたちの食生活が欧米化していることにも原因があります。実際に、日本人は食パンやパスタなどの料理が本来からだに合いません。小麦粉を抜いたグルテンフリーの食生活に変えただけで、疲れやすい体や原因不明の体調不良が治った人も多くいます。

まず、アトピーの人は体内の水分を排出するのが苦手です。その水分が体内に滞ることで症状が悪化しやすくなります。なので、汗を多くかいたり排尿をうながす食品を食べることで症状が落ち着くこともあります。

そして小麦は寒い地域、乾燥した土地、寒い季節に育ちます。その特性から小麦は水分を逃さないようにできています。こういった理由から小麦を食べると水分が体内に閉じ込められ、アトピーが悪化します。

小麦粉を食べるとなんとなく調子が悪い、肌が乾燥する、痒くなるといった背景には、こういったメカニズムがあるわけです。また、フルグラやマクロビ派ビスケットなら体に良さそうと思いがちですが、たとえオーツ麦やライ麦であっても麦であることには変わりなく、アトピー疾患を悪化させます。それにリノール酸を含む植物油を使っています。

わたしは、ホームベーカリーで米粉パンを焼いて、それをおやつの代わりにしています。最初は小麦粉のようにうまく膨らみませんでしたが、波里の米粉 に変えたことでサクッともちもちの米粉パンがつくれています。

このように、自分なりのグルテンフリーの食生活をみつけることは、ストレスなく継続できる秘訣です。

砂糖をとらない

アトピーに砂糖がダメな理由はおもにふたつ。ひとつは糖分が腸内細菌の悪玉菌を増やして腸内環境を崩すから。もうひとつは砂糖の原材料であるサトウキビは暑い地域で育つため、からだを冷ます作用があるからです。

まず、アトピー性皮膚炎と腸内環境は密接な関係にあります。普通の人は悪玉菌を退治する善良な菌があり、それが悪玉菌の増殖を防いでくれます。しかし、アトピーの人はその菌が極めて少ないので、悪玉菌を増やす原因となる食べ物を摂ってしまうと退治されることなく増殖してしまいます。

こうして腸内環境が崩れ、アトピーの症状にあらわれます。この糖質は砂糖の入った甘いお菓子やジュースだけでなく、バナナや白米にも多く含まれます。しかし、糖質はエネルギーを蓄えるうえで必要な栄養素で、極端な糖質制限は健康的ではありません。ご飯を半膳にする、甘い食べ物を控えるなど『減らす』ことが大切です。

サトウキビが原材料の砂糖は、上白糖、角砂糖、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖など。なかでも白色の砂糖はサトウキビに含まる不純物を取り除くために何度も精製を繰り返しているので、とくに有害です。茶色の三温糖は一見よさそうにみえますが、これはただ見た目が茶色いだけで実際には白砂糖とおなじです。

しかし、アトピーに悪い影響を与えない砂糖もあります。それは、てんさい糖です。てんさい糖の原料となる甜菜(別名:砂糖大根)は寒い地域で育つので、からだを冷やしにくいのが特徴です。また、ミネラルやオリゴ糖を豊富に含むので腸内環境を崩す心配もありません。

わたしは料理にてんさい糖を使い、デザートには蜂蜜を使っています。ちなみにはちみつは中国産を避けたほうが安全です。

最初は砂糖を摂らないなんて無理だと思いましたが、外食や加工食品に頼らず自炊を心がければ実現できます。

ちなみに、ヤクルト、明治プロビオヨーグルトR1、LG21など腸内環境を整えるとされる乳酸菌飲料は、原材料のほとんどが砂糖やぶどう糖果糖液糖なので、あまり意味がないどころか場合によっては逆効果です。

アトピーは健康をつくる

アトピーを治す食事は昔ながらの和食です。そして、リノール酸を含む酸化しやすい植物油、サトウキビ由来の砂糖、肉、乳、小麦を食べてはいけない、さらには精米されたお米も食べ過ぎてはいけません。これさえ守れば大人も子供も関係なくアトピーは治ります。

わたしはアトピー性皮膚炎と何十年も戦ってきましたが、この事実を知ってから3ヶ月後には全身のアトピーがほとんど消えました。最近はステロイドやプロトピック軟膏も必要ないので、そういう意味では完治したと言っていいかもしれません。

しかし、いまだ肌が乾燥しやすいので保湿には気をつかっています。また、和食による塩分の摂りすぎにも注意しなければなりません。

この食生活を続けアトピーが落ち着いてくると、多少の肉や甘いものであれば食べても大丈夫です。ただ、調子にのって食べ過ぎると再びアトピーが悪化するのでほどほどが大切です。

これだけ食事が制限されるのは正直つらいですが、その反面で気づいたことがあります。

このアトピーの治療で控えるべきものは、メリットよりもデメリットのほうが大きいものばかりです。しかし、よほど大きな理由がない限り、あえて小麦粉や砂糖を摂らない生活はおくりません。そういった意味もあり、アトピー性皮膚炎であることは健康的になれるということです。実際にわたしは健康診断の数値がすべて適正値になっていました。

アトピーを治す方法は思いがけないほどシンプルです。そして、いつかアトピーが完治したとき、アトピーでよかったと思えるかもしれません。