アトピーにすぐれた保湿力をもつ2アイテム
肌の保湿ケアがなによりも大切なアトピー性皮膚炎。そんななか、保湿剤で代表的なヴァセリンとヒルロイドローションの代替えとなるセタフィル。
いずれも高い保湿力とコスパを誇り、どちらもアトピーの保湿ケアにおすすめです。では、実際の使用感からもっともアトピー肌にとって優れているのはどちらでしょうか。
ヴァセリンは塗りづらい
ヴァセリンとはユニリーバの製品名で、おもな成分はワセリンです。ワセリンとは高純度に精製した石油からつくられたもの。その効果と安全性から医療機関でも使われている安心の保湿剤です。
ヴァセリンの成分は石油をもとにしたワセリンなので、クリームのような感触ではなくかたい。ヴァセリンの使い方は黄色味がった固形物を無理やり肌全体にのばしていくイメージです。
ここがヴァセリンの欠点。アトピーに重要なのは全身をまんべんなく保湿し乾燥から守ることで、クリームやローションのようにストレスなく塗れるのが理想です。
ヴァセリンはセタフィルのようにすーっと伸びることがないので、ところどろこにムラができます。また、全身には500円玉2個ぶんくらいの量を使います。
200gで半年くらいもつかなと思いきや、夜のお風呂上がりと就寝前の1日2回の使用頻度で2ヶ月しか持ちませんでした。
保湿力は最高だが…
ヴァセリンの保湿力はすごく優れていて、これはセタフィルのローションやクリームよりもいいんじゃないかと思うくらいです。
アトピーはしっかり保湿してあげることで外部の刺激から守ることができ、かゆみと症状の悪化を軽くできます。そういった意味ではヴァセリンを塗ると皮膚が守られている感じがしますし、少し赤く掻きむしった炎症のあるところも、ステロイドとヴァセリンを併用することで、保護されながら改善していく感じがあります。
しかし、保湿力が高い一方で使用感は最悪、これがヴァセリンにおける最大のデメリットです。
とにかくベタつく
くちびるのリップや足のかかとなど、部分的にヴァセリンを塗るのであればすごく効果的だと思います。しかし、全身に塗るとなるとワセリンの性質上すごくベタつくので、けっこうなストレスを感じます。
衣類が肌にひっかかる感じで、服の繊維、髪の毛、空気中のホコリや花粉などの細かいものがひっつきます。
また、ヴァセリンを顔や体に塗ると熱がこもり赤くほてります。油分が強いので直射日光に当たると日焼け(油焼け)するリスクも捨て切れませんね。
なんせ全身に使用していますからこのような使用感レビューとなってしまいますが、集中的に保湿ケアしたい箇所だけに使うのあれば、ヴァセリンはとてもおすすめです。
シンプル成分は優等生
ヴァセリンにもそれぞれ種類がありますが、必ずアトピー肌の人は青い蓋のヴァセリン ピュアスキンジェリーを買ってください。
ピュアスキンジェリーこそオーガニックなヴァセリンで、香料、着色料、防腐剤がすべて無添加だからです。
ちなみに ヴァセリン ペトロリュームジェリー と ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー は名前が違うだけで内容は同じです。
そして2010年、多くの国で親しまれてきた「ヴァセリン ペトロリュームジェリー」が、ナチュラル処方はそのままに、「ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー」という新しい名前へ。パッケージも使いやすく生まれ変わりました。出典 : Unilever
「ヴァセリンにもローションがあるじゃん」と思いきや、ヴァセリンの アドバンスドリペア ボディローション の成分には、ステアリン酸の合成界面活性剤やセドロールの香料などが含まれています。あまり神経質になるほどではありませんが、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんにはワセリンローションの使用を避けたいですね。
といいつつも、セタフィルだって合成界面活性剤がまったく入っていないわけではありませんけどね。
セタフィルはいいとこ取り
青缶のニベアより良いクリームとして有名なセタフィル。知る人ぞ知るコスパに優れた保湿ケア商品です。
セタフィルはヴァセリンほどの保湿力はないと思います。しかし、セタフィルが保湿力に劣るわけではありません。
セタフィルの成分にもワセリンは含まれていて、重要な保湿の機能に使われています。そこに、さまざまな成分を加えたことで、日々のスキンケアに最適な使用感とアトピーに効果的なコスメに仕上げたそうです。
アトピーを改善するための保湿ケアは、事実、高い保湿力よりも継続することのほうが大切に思えます。もちろん、両方そろって高い効果を実感するのですが、そのいいとこ取りをしているのが セタフィル モイスチャライジングローション と クリーム です。
とにかく伸びて使いやすい
ヴァセリンになくてセタフィルにあるものは、すーっと伸びる使いやすさです。ローションはポンプ式なので使用量を調節しながら手に出すことができますし、よく伸びるのでヴァセリンのように多くの量を出さなくても500円玉1個ぶんほどで全身に使えます。
また、ヴァセリンのように肌にベタつくことはなく、塗ったあとにすぐ服を着てもさらっとした肌触りです。これがとても快適で毎日欠かさずスキンケアできる理由のひとつです。
ヴァセリンほどの集中保湿をそこまで求めておらず、使いやすさとストレスのなさを重視するのなら、絶対にヴァセリンよりもセタフィルをおすすめします。
コストコ会員が条件かも…
セタフィルの欠点はコストコでしか適正価格で買えないこと。アマゾンで出品されている商品はコストコで仕入れているものなので、コストコの販売価格に1.5倍の手数料が加算されている感じです。
Amazon定期おトク便 を利用すれば少し安く買えますが、それでもセタフィルの最安値はコストコです。
わたしの家からコストコまでは距離があるので、年に数回程度しか行けません。途中でセタフィルのストックがなくなってしまったら、アマゾンでヴァセリンを買っています。
コストコの販売価格より1.5倍のセタフィルよりもあわせ買い対象で570円で買えるヴァセリンのほうがお得感がありますから。
けっきょくアトピーにはどっちがおすすめか
ヴァセリン
体温がこもりやすくなるので、あたたまって患部の痒みが増すことがあります。保湿力に優れているぶん、この点がアトピー性皮膚炎にとってデメリットです。
ヴァセリンでアトピーが悪化したという原因に、このワセリンの性質で皮膚が熱くなりやすいことがあげられるのではと思います。
また、ただでさえ痒くてイライラしているときは、そこにベタベタする感覚が加わり大変ストレスを感じます。控えめに使用すればいいのですが、クリームのように全身に伸びるわけではないのでむずかしいところです。
メリット
- セタフィルより保湿力に優れている
- アマゾンで安く買える
- 成分がきわめてシンプル
- 肌をしっかり保護してくれる
- ほぼワセリンでできている安心感
- 無香料・無着色・防腐剤無添加
デメリット
- 全身に伸ばしにくい
- クリームのように使えない
- 硬めなので塗りムラができやすい
- とてもベタつく
- 使用後に髪の毛や小さなホコリが付着しやすい
- 熱を吸収し火照ることがある
- 日焼け(油焼け)しやすくなる
セタフィル
さらっとした使い心地で、ヴァセリンのように熱がこもることもありません。保湿剤を塗ったことを忘れるくらいしっとり自然になじむところが、とても優れています。
アトピーの症状にありがちなカサカサした乾燥肌にうるおいを自然にあたえてくれ、使用後の肌触りも快適なのでストレスなく使えます。
この優れた使用感から習慣的に使えるので、とてもアトピーのスキンケアには向いていると思います。
メリット
- 保湿力に優れている
- 使用感に優れている
- すーっと全体に伸びるので使いやすい
- ベタつかない
- 使用後の肌がしっとり落ち着く
- 快適に使えるのでスキンケアが続けられる
- 少量で広い箇所に使える
- コストコで安く買える
- 低刺激性・無香料
デメリット
- アマゾンでは1.5倍の値段でしか買えない
- 合成界面活性剤など少し気になる
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